第五回 

今川幸代 さん


駐妻のヒューストン日記

皆様、こんにちは。
最近ふと思うのですが、月日の経つのは早いものですね。気がつけば、私もこの10月でヒューストン生活歴1年になります。なかなか英語が上達せずフラストレーションの多い毎日ではありますが、一方では良い友人・知人に恵まれそのフラストレーションを解消することが出来ています。
 さて、駐妻日記のバトンを堀江さんから調子よく受け取ったものの、何を書いたらいいものか悩みましたが、この場をお借りして着物について書いてみようと思います。皆さんは着物に興味がありますか?私が着物を始めたきっかけは、一人で着物を着られたらいいなという単純な思いからです。着付学校に通い師範の資格を取得しました。勿論、資格取得の為の筆記・実技試験があり大変ではありましたが、どちらかというとお稽古気分でとても楽しかったように思います。ここで終わっても良かったのですが、私が通っていた学校は師範課程を修了した人が進む講師課程というクラスがありました。せっかくだから人に教えるノウハウを学んでおくのもいいだろうと思い受講し資格を取得しました。これを学んでおけば海外でも生かせるかなという気持ちもありましたし。しかし講師過程の授業は一転とても厳しいものでした。当然この課程を受ける人は師範資格を所有しており、着物に対する意識・知識・情熱がとても高く、且つ私より目上の方が多かったので、実に多くのことを学ぶことが出来ました。授業自体はまったく着物の知識のない人達に教える方法を学ぶのですから、専門用語をなるべく使わないで説明する話法、美しい手さばきや、正しい着付と着方(自分で着る事)の指導法などを学びます。そうそう、教育実習もありました(笑)。振り返ると本当に貴重な経験ができたと思います。
 ところで、着物になかなか馴染めない理由として、値段が高い、実用性に欠ける、自分で着られないし面倒くさい、興味がない、等々の理由があると思いますが、着物は日本の民族衣装というだけあり、日本人女性をより美しく見せることが出来る衣装だと思います。最近、日本人もスタイルのいい人が増えてきましたが、やはり欧米人のような8頭身美人はなかなか居ないということです。アジア人が欧米人に比べプロポーションが悪く見えるのは、たとえ7.5頭身あったとしても、足より胴の方が長いのが原因だそうです。そういった欠点を補い、より美しく見せることが出来るのが民族衣装である着物と言えるでしょう。
 まだまだ、特別の日のお召し物という印象が強い着物ですが、是非その限られた特別な日にこそ着物を着て出掛け、少しだけでもいいから着物に親しんで頂けたらなぁと思う私でした。
                   ・・・次回は 千葉 由喜子さん・・・

 

    Y. Tago

第1話 “Red Neckオバチャン”を知っていますか?

「ここのレディたちは、根っからのRed Neckだからな、気をつけろよ」とある男に忠告された。「Red Neckって何?」と思わず聞いた私。「それはねえ、私たちが教えてあげるから、そんな男は無視して、早くここに座って一緒に食事をしましょう」とRed Neck本人に誘われ、なんとなくそこに座った私。それ以来、私はRed Neckと呼ばれるオバチャンたちと昼食を共にするようになった。
 Red Neckとは、本来「米国南部の貧乏で粗雑な白人労働者」のことを馬鹿にした呼び名らしい。「屋外で働いてばかりいて首のあたりが日焼けしているのでRed Neckというのよ」と、昔はなかなかの美人だったと思えるジェニスが、ニコニコしながら教えてくれる。週末に庭仕事(ガーデニングというよりも庭仕事)をしたとかで確かに日焼けしている。美白を追求して顔中に日焼け止めを塗ることはなさそうだ。そういえば、私もこちらに来た当初、ゴルフの前に日焼け止めを塗りたくって、これで完璧と思ったが、数日たってから耳の裏側の皮がべろりとむけてびっくりしたことがある。Houstonは日焼けまで豪快な処だ。

 

 

「あなたもさっきの男みたいなブラウンノーズじゃあないでしょうね」と、もう一人のRed Neckのマギーが言う。思わず「ブラウンノーズって何ですか?」とまた聞いてしまう。「ほら、彼を見てれば分かるでしょ、上司におべっかばかり使っている人のことよ。」日本語で言えば、ごますりのことか。でもなぜブラウンノーズなんだ?さっきのRed Neckは分かったが。「そりゃー上司のお尻について歩いてばかりいたら、鼻の頭が茶色くなるでしょ!わかる?」と、マギーがでっかい声で説明してくれる。カレーライスを食べていなくて良かった。
 我が社におけるRed Neckとは、このような力強く、豪快で、一本気なオバチャンたちへの愛称のようだ。今後このコラムで、彼女らとの昼食時の会話を通じて知り得たHoustonianの文化(やや片寄った意見も多いが)を紹介させて頂くことになった。これまでのネイティブ関西人さんの“オハヨゴマース”に比べるとだいぶ品が落ちるが、お付き合い頂ければと思う。

 

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