補習校だより

素晴らしかった おはなしの会  川端清子

 

“ねえ、お話の先生がまたお話してくれるんだって。” 

“さっきと同じお話?”

“ううん、違うお話だってさ。”

“いつから?”

“もう始まるよ。”

“わあい、行こう行こう。”

昨年11月22日(土)三水会センターで上甲さんの語り聞かせの会が開かれました。その日は一日かけて補習校で語り聞かせを終え、さらに三水会センターへも出向いて下さいました。

 

(残念ながら会議室の明かりは消すことができませんでしたが)

上甲さんの淡々とした決して抑揚の強すぎない落ち着いた語り口が、私達を物語りの世界にスイッと引き込みます。

不思議な鍋がどんどんお粥を炊いて、街中お粥だらけになって行くと、、、、

聞いている子供達は“あーーあ”“うわあ”と一緒に大変がります。

魔法使いに村人達はどんどん騙されて、次の村人も騙されそうになると、、、、

ここでも子供達は“あー-、それ言っちゃだめー”と、我が事のように耳をふさいでみたり。

子供達の想像力の中で、すっかり物語は映像化されているかのようでした。

上甲さんが用意なさっていた2つのお話に加え、子供達のリクエストに応えておまけのお話を2つしてくださいました。

最後にしてくださった怖ーい怖ーい話“ちいちゃい ちいちゃい”。

この怖さは、聞いた人にしかわかりません。

語り聞かされるからこそのあの怖さ。物語の最後で飛びあがるほどドキンとさせられるのに、なのになんだかとっても後味がよかったのはなぜなのでしょう。聞けなかった人、、、残念でした。

もっともっとお話聞きたい!

お話が全部終わったら蝋燭を吹き消します。“蝋燭を消す前にね、一つ願い事をするの。それから、ふー-っと吹くんだよ。“ 上甲さんの言葉に、子供達は何やら頭の中で思い巡らし、それから蝋燭の火を皆でいっせいに吹き消しました。

“上甲さん、とってもおもしろかったわ。”という、私の言葉に、“そう、おもしろいのよねえ。私もね、聞いている子供達からいっぱい色んなものを貰うんですよ。”との、お返事。

上甲さん、子供達にすばらしいひとときをありがとうございました。

「おはなしは、それが語られている間だけ、生きているのです。」ルース・ソーヤ

お話にどんどんすい込まれていく子供達

補習校で上甲さんのお話を聞いた子供達がまたここでもお話が聞けると知って目が輝きます。

上甲さんはヒューストン在住のお友達、越智さんを訪ねて、2週間ほどの滞在予定で日本は和歌山からやって来られました。「和歌山おはなしの会 語りの森」のメンバーのお一人で、和歌山で子供達に色々な昔話を語って聞かされて十数年になるそうです。

20世紀の初めにアメリカを中心として図書館で子供達にお話を語ることが広まりました。日本でもお話の部屋を設ける図書館が増えてきました。

上甲さんの所属されている「和歌山おはなしの会 語りの森」は1988年に発足し、以来幼稚園、保育園、小中学校、子供会などでおはなし会が持たれ、子供と本を結びつける役割を果たされています。

そんな上甲さんのご好意で、ヒューストン滞在中に補習校の小学部の子供達に昔話の語り聞かせをして下さったのです。

本を読み聞かせるのではありません。ストーリーはすべて上甲さんの頭の中に入っています。

子供達の目を見ながら語って聞かせてくれるのです。

語り手の言葉の力と、子供達の豊かな想像力が一緒になって、物語に命が吹き込まれるのです。語り聞かせならではの力強さで、子供達の心にビンビンとおはなしが伝わります。

語り聞かせの会場になる三水会センターの会議室の奥には、和室用の小さな机の上に赤い蝋燭が一本置かれていました。

上甲さんと一緒に、子供達十人ほどとお父さんお母さん方、そして越智さんが部屋に入り、蝋燭に火がついたらお話の始まりです。

 

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