Do you have anything that may hurt me?: 「この中になにか私に危害を加えるものが入っていますか?」。9/11のテロ以降空港の警備は非常に厳しくなった。金属探知機がなると、皆が見ているところで靴も脱がされる、ベルトもとらされる、両手をあげて立ったまま検査機でチェックさせられる、と大変である。で、X線チェックで荷物が怪しいとなると、荷物をあける個別検査が行われる。ここで検査官が、荷物を開ける前に、このDo you have anything that may hurt me?とマニュアルにしたがって聞いてくる。しかしこの質問、危ないものを持っていなければその人はNO(いいや、もってないよ)、と答えるのはもちろんながら、仮にその人がテロリストで非常に危ないものを持っていたとしても、というか逆に持っていたらなおさらNO(いいやぜんぜん)と答えるだろうと思うのである。とすると今までに何百回または何万回または何百万回も聞かれたであろうこの質問は果たしていままで一人でもYESと答えた人はいたのであろうか、と考えるのだが。まあでもマニュアルだからいいか。

 

Did you pack the baggage by yourself? Did you receive anything from unknown person?: 

「荷物は自分で入れて自分で鍵をかけましたか?」「誰か知らない人、不信人物から荷物を預かったりしましたか?」。やはり空港で聞かれる質問である。この二つの質問は9/11よりずっと前から延々と聞かれている質問である。最初の質問に対してはYes(はい)、二番目の質問に対してはNo(いいえ)と答えるのが正しい答え方であるし、そう答えている人以外見たことが無い。またそれ以外の答えを言って飛行機に乗せてもらえるとも思えない。日本人だと、大体そう聞かれるから、と練習していったりする。

しかしながらこの質問も毎回毎回いままでに何百万回何千万回ときかれてきて今後も聞かれていくのだろうと思う。

 

元田 詳子

「私はHouston Symphony Chorusに所属しております。」

私の5年間のHouston生活の中で、最も誇りを持って言っていたことでした。

私は小さな薬局の長女として生まれ、この世に出た瞬間から家族のものは家の後継ぎとしての期待を私に託していました。まだ小学校にも行かない幼いときから、薬剤師という意味も知らない時分から「大きくなったら薬剤師になるの」とまわりのお友達に言っていたことを覚えています。ところが言っていることとは裏腹に、とにかく歌が大好きでしかたがありませんでした。母も音楽が大好きで私の妊娠中は童謡やクラシックの番組を1日中かけていたそうです。そんな環境の中で育った私は家の中でほかの職業についての話はご法度、だけど歌を歌うことだけは誰からもとがめられませんでした。小学校5年生からずっと合唱部だった私が入った高校には合唱部がなく、歌いたいという気持ちは押さえられなくて、個人的に声楽の先生に習っていました。もちろん薬学部に進学することを前提条件で。

そんな過去があったせいでしょうか。大学,就職、結婚、子育てと追われるような日本での生活を離れヒューストンにやって来て、私の心の中の鍵が開かれるときがまるで何かの力をかりたようにやってきました。それは極普通に、いつもの生活の中で、きわめて自然に歌を始めるきっかけが訪れました。それは Japanese Ladies Chorus の一員になることでした。しかし私は月2回の練習ではあきたらず、むしろもっと歌いたいという気持ちは高まるばかりでした。私の熱い気持ちが通じたのでしょうか。

 

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