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フライフォーグル幸子 |
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ヨーロッパに古くから存在する様々な種類の薔薇の中でも、ダマスク(Damask)が最も青々とした葉と素晴らしい香りを持ち合わせていると言っても間違いではないでしょう。 ダマスク・ローズはキリスト教布教以前からペルシャ周辺を起源としており、十字軍によってヨーロッパに持ち込まれました。古都ダマスカス(Damascas)が名前に由来していますが、詳細は確認されていません。 12世紀のエルサレムにて、サラディン王は十字軍を撃退した後に、オマー(Omar)のモスクを清めるためにラクダ500頭分のダマスク・ローズウォーターを使用したと言われています。14世紀にはダマスク・ローズはフランスに到着し既に有名になっています。 |
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今日の薔薇香油は昔から変わらずにカザンリク(Kazanlik) (ラテン名:R. Damascena Trigintipetala)から採取され、ブルガリアの独占市場となっております。香水の原料となる1キロの薔薇香油を作るためには3トンの花弁を必要とし、そのためには1,200万個の花が使用されます。しかもカザンリクは夏のみに花を開く1季咲きの種類で、日差しで香りが薄れるのを避けるために、花の収穫も早朝の日の出前に手摘みでしか出来ません。天然の薔薇香油を使用した香水がどうして高価なのか、これでお判りになると思います。 アルバータイン(Albertine)、ジャートルード・ジキル(Gertrude Jekyll)、グローリー・デ・ジュイラン(Gloire de Guilan)、カザンリク(Kazanlik)、マダム・イサック・ペーリエ(Mme Issac Periere)、ポール・リシュルト(Paul Ricault)といった、今日において香り高いとされている薔薇を使用して、香水の調合師にどの香りが最も強いかを試してもらったところ、カザンリクが一番余韻が残るとの事。何百年とある薔薇の歴史の中でもいまだに最高の香りと位置付けられています。同時に薔薇の香りで有名な製品が品質の劣る薔薇香油で作られていることも驚きを隠せません。 ダマスク・ローズは大きな刺と青々とした葉を持ち合わせた、背の高めの低木です。現代薔薇の光沢のある葉と比べて、ダマスク・ローズの葉はくすんだ感じの灰色がかった柔らかい緑色をしています。 香りというのは大変個人差がありますが、多くの人々が「これこそが薔薇の香り!」とダマスクの香りに対して同調するでしょう。薔薇の権威の一人であるビールス氏(Mr.Beals)は「ダマスクの香りとはスパイシーだけれど一味軽さを含んでいて、ガリシア・ローズの柔らかな香りとは一風異なっている」と表しています。 |
イングリッシュ・ローズの創始者であるデイビット・オースチン氏(Mr. David Austin)はダマスク・ローズの香りをオールドローズの香りとみなし、この香りを現代薔薇に生かすべく創作を重ねています。またこの香りは「祖母が使っていたクリームの香り」と、懐かしい思い出を思い起こすものでもあります。 ほとんどのダマスク・ローズの花の色はパステルピンクで、希に白色をしている種類もありますが、ガリシア・ローズの様な紫色の花はありません。花の形、花弁が5枚のもの、カップ状のものなど様々あります。 さて、薔薇を育てるとなると”世話が大変”、”手入れする時間が無い”、”農薬を撒かなくてはいけない”などと思われる方が多いかと思いますが、テキサス A&M大学が117種類の薔薇を”育てやすさ”との観点からテストしたところ、11品目の薔薇が”Earthkind Rose”との栄誉を受けました。 ”Earthkind Rose”のテスト場はダラスのアルカリ性の粘土質土壌(ヒューストンの土壌はほぼこれ)で、1)よく花が咲き、2)有機栽培に向いていて、3)害虫向けの農薬散布を極力さけても健康であるかどうかチェックをされました。実際のテスト場では肥料散布無し、全種農薬散布無し、刈込無しと全く何の手入れもされませんでした。全種類の薔薇は多かれ少なかれ黒点病の被害が見られましたが、この11品目はほぼ常緑樹のように年間を通して葉を付け、際立った害虫の被害は見られませんでした。春先に何種類かはアブラムシの被害に遭いましたが、3週間ほどでアブラムシは天敵に自然に駆除されました。また、熱と渇きに強く、さすがに108Fの暑さの時は花のサイズは小降りになりましたが、それでも花を咲かせ続けました。 |