
岩野 宏 (JETRO
Houston)
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こんな題で何か書けという宿題をもらってしまいましたが、まず正直に申し上げれば、インターネット、コンピュータの類は好きではありません。そもそもコンピュータが嫌いでなければ大学では工学部を専攻した私がこういう職業には就いていなかったでしょう。私が学生だった頃はまだコンピュータというのは使う人が必要に応じて自らプログラムを書くという時代であり、とてもそんな世界には生きられないと考えた私は、研究者・技術者の道を諦めて転身を図ったのであります。いまだこのトラウマは根強く、やむにやまれぬ場合以外には使わない、というのが原則であります。 そんな私がまさにやむにやまれずまず使用していたのは、やはりニュースサイトです。既にヒューストンに来て1年ほどになりますが、それまで日本では国家公務員なる評判の悪い商売をやっていたので、しばしば自分の仕事のことが新聞に取り上げられました。もちろん、好意的に取り上げられるはずはありません。そういう時は、記事が出ることはだいたい前日には分かりますので、夜中に当該新聞のサイトに行くのです。そうすると朝刊が出る前にどういう記事が出るのかが分かりますので、それを元に事実関係の整理などをして(悲しいかな、新聞記事はしばしば歪曲と誤解に満ちあふれています)、必要があれば翌朝大臣が登庁される前までに資料を一式揃える、などということをしばしばやっておりました。暗い思い出です。 ヒューストンに来てからもニュースサイトは結構重宝しています。私は業務上石油関係雑誌の抄訳を作って毎週末日本に送っておりますが、どう頑張っても英語を読むスピードはローカルスタッフにかないませんので、平日はローカルスタッフに雑誌から必要な記事をピックアップしてもらっています。そして、金曜日に取りまとめてもらったものを受け取るのですが、例えば金曜日のNYMEX原油価格などは、時間的な問題から当然そこには含まれません。そこでやおらニュースサイトにアクセスする訳です。私が必ず見に行くのは、ブルームバーグ(http://www.bloomberg.com)とプラッツ(http://www.platts.com)です。市場動向に興味のある方には面白いサイトかもしれません。 |
また、昨年千葉さんがこの欄で取り上げておられた辞書の英辞郎は私も優れものだと思います。ただし、あまりに便利なので私はそのCD-ROM版を買ってしまいました。したがって、これからはインターネット活用法からはずれてしまいます。 いささか、堅苦しいサイトの話ばかりになってしまいましたが、もうちょっと楽しくて便利しそうなのはSearchDeskという検索サイト(http://www.searchdesk.com)でしょうか。インターネットで探したくなるありとあらゆるサイトへ行くことができます。また、コンピュータにこだわりのある方であれば、窓の杜(http://www.forest.impress.co.jp)がお気に入りになるかもしれません。各種壁紙、解凍ソフト等のフリーソフトがダウンロードできます。 まあ、私の活用法などせいぜいこの程度なのですが、それでもインターネットの普及で仕事も生活も大きく変わってしまったと思います。昔は調べものといえば図書館にでも行って資料を括ったものです(一体何十年前の話だ)が、今ではうまくキーワードを設定すれば思わぬ拾いものの情報が得られます。しかし、恐ろしいのは、たまたま行き着いたサイトの情報がその分野で一般に言われていることなのか、それともそのサイト主の特有な見解なのか、自分には全く判断できないことです。インターネットというのは情報の山に手を突っ込む有力な手段ですが、手を突っ込んだところがその世界のどの辺に当たるのかということに関する情報は全くありません。教科書を読んで得られる知識では、全体像がどうなっていて、個別の事象がお互いにどうつながっているのかが明らかですが、インターネットで調べて得られるものは情報の断片ばかり。それをどうつなげてどう世界を構築していくかは自分の判断です。今自分が立っているのはこの世界のどの辺なのだろう、サイバー空間の中で私はおののいてしまうのです。したがって、いまだにこの世界に対するトラウマが消えないのです。 |