多民族クライアントのニーズに応え治療を行うカウンセリング・センター

  

福井 陽子 (ファミリー・エンリッチメント・クリニック)

   

*ファミリー・エンリッチメント・クリニックとは?

私は、大学院生の時に、ファミリー ・エンリッチメント ・クリニック(FEC)のディレクター葉李麗貞先生と出会い、それ以来FECでほかのアジア人セラピストたちと共にカウンセリングをしています。葉先生は、30年以上のカウンセリングの経験をもち、アメリカにおいてでアジアの文化・や習慣を考慮したカウンセリングを行う必要性を感じ、1992年にFECを設立しました。アジア人が同じ文化的背景を理解できるアジア人セラピストにカウンセリングを受けることがより効果的だと認識し、自分一人ではみきれない数多くのクライアントからの依頼に対応する為に、アジア人カウンセラーのリクルートを始めました。

アメリカとアジアの文化の違いといえば沢山あります。例えばアメリカでは子供が18歳になると家を出て独立しますが、日本人の場合はそうではありません。アメリカ人から見た場合、日本人は成人しているのに親から独立していないと見られがちになります。FECで行うカウンセリングではクライアントの文化や家庭の背景を考慮し、心の奥深くをお話して頂けるような環境を築いていきます。ですからやはり、日本の文化や家族、仕事や教育に対する考え方を理解できるセラピストだからこそ、可能となってくるもと考えております。

現在はFECで葉先生がリクルートしてくだっさたおかげで、セラピストとしてのトレーニングを終えたアジア人セラピストが数名います(日本人4人、台湾人5人、ベトナム人1人、韓国人1人)。葉先生の夢であったアジア人がアジア人から、つまり、個人の文化的背景をよく理解しているセラピストから治療を受けることが現実となった今、FECは多民族のクライアントの治療を効果的に行っているカウンセリング・ センターとして、広く皆様に知って頂けるようになりました。その他、FECではアジア人クライアントの効果的治療法に関連し、カウンセラーのトレーニングやコンサルテーションも行っています。

from left to right are: Kyle Shih(Taiwanese;Therapist Assistant),

Mei Huang (Taiwanese therapist), Sujin Ann-Yi (Korean therapist),

Wen-Mei Chou (Taiwanese therapist), Ruth Yeh (Taiwanese therapist; the Director of our clinic), Thuy Nguyen(Vietnamese therapist),

Yoko Fukui (the Clinical Manager).

 

*ストレスが問題のもと

日本人が海外で暮らすことになると、引越し、新しい住まい、会社、学校、英語の生活、車の運転、食事の違いなど、さまざまな変化に対応して行かなくてはなりません。また日本でそれまで親しかった家族、友人や同僚と離れ、あらたにアメリカで人間関係を築いて行かなければなりません。文化の違いで不自由を感じ、生活に慣れて行っても英語が通じなくて歯がゆい思いをしたり、日本が恋しくなったり、大変な思いをされる方も多いと思います。アメリカの暮らしに慣れて行く間、みなある程度のストレスは感じますが、徐々に慣れて行き日常生活を送ることができるようになります。

私はFECでさまざまな日本人クライアントの体験を聞いてきました。クライアントそれぞれの問題は子供の登校拒否、うつ病、親子関係や夫婦関係など、色々とあります。ほとんどのクライアントの場合、何らかの形でアメリカの暮らしからくるストレスがたまりすぎて、仕事や家族や学校等に影響し、問題が生じています。カウンセリングで私はいつもクライアント個人個人が持つResilience (問題解決へ向かうために持っている長所)に注目します。セラピーではそのResilienceをよりよく引き出し、強めて、問題を解決して行く方法を話し合います。セラピストはクライアントと一歩ずつ解決の道を一緒に歩んでいき、たどり着いた時点でカウンセリングは終了します。

カウンセリングは問題が大きくなりすぎる前に解消して行くためにも効果的です。ほとんどの人はカウンセリングを利用せずストレスの解消をしていらっしゃると思います。皆様それぞれにCoping Skill (ストレスを解消していく能力)を持っていますので十分発揮できるように毎日自分自身のストレスレベルをチェックされてはいかがでしょうか?アメリカではカウンセリングを受けることを保険やEAP(Employee Assistance Programs)でカバーできますので、ストレスがたまりすぎる前にカウンセリングを利用することは簡単です。保険会社やEAPでは所属のカウンセラーのリストがあり、その中からセラピストを選ぶことが出来ますので、ぜひお気軽にお訪ねください。

*筆者自己紹介:

国際基督教大学を卒業後、University of Houston − Clear Lakeの大学院でカウンセリングの勉強をする。テキサス州のセラピストの資格(Licensed Professional Counselor, Licensed Marriage and Family Therapist)を取得し、2001年よりスーパーバイザーの資格を得てカウンセラーのインターン生やレジデントのトレーニングもしています。

 

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